時代は変わる。今もここにいる。
「今日のライブ見たいねんけどー」
と数時間前にラインすると
「遅刻すんなよー」
とラインが帰ってきたから
友達のライブへ行ってきた。
いつもどおりの友達とのやりとり。
でも、今日は、いつもどおりとは少し違う
特別なライブだった。
年末も年始も、誕生日も毎年一緒に過ごす友達。
なんなら昨日も一緒にいた。
友達のライブ。
[①、渋谷]
しかも今日のライブ会場は、特別で
俺らが何度も一緒に走った公園のすぐそば。
2人で何度も通りすぎた
渋谷の代々木第一体育館という場所だ。
あいつとは、出会って9年だが
ずっと家が近くて、なんじゅっかいも
この場所を通り過ぎてきた。
つか、2週間前のクリスマスも、一緒にここにいたし。
ランニングしながら、よく話した
「いつか」の話。
1万人くらいだろうか。
今日のお客さんは。あの頃、話していた光景は今日、広がっていた。
[②、ブエノスやん]
でもお客さん10人のライブの時と、なにも変わらない
距離なんかないライブだった。
これは、マジで物の例えでも、なんでもなくて
本当に自然体のいつもの渋谷。
その証拠に、なんかの曲の前にも
「これはシロセが作った曲で~」
とか、言ってくれたりもして
「これ、ブエノスでしかありえないMCじゃね??」
と、ビビった。
1万人の前で、きょどった。
視線が少し俺に集まったから、油断してたなりに
会釈をする俺。
あの俺のキョドりようも、あの日のブエノスの全くデジャブだ。
キメ顔でいとけばよかった。
きっとまじブスだった。
ものすごい景色をくれたなぁ。
すごすぎるラブ。ありがとう。
(でも、いかれてるぞ、お前。)
[③、小さなライブハウス]
“渋谷の小さなライブハウスから
渋谷で一番大きなライブ会場へ”
このフレーズは、今回のキャッチコピーとして
今回、きっと多くの人が何度も見てきた。
とても華やかな言葉だ。
でも、この華やかな言葉の裏側にはたくさんのドラマがあった。
だから俺はその言葉を目にするたびに、
実は切なくて泣きそうになる。
一緒に泥水を飲んできたからね。
この景色を、一緒に過ごせなくなった友達なんて
もちろん何人もいて。
でも、俺らの世代はきっと恵まれていて
今日の関係者エリアも
たいきや俺らが一緒に過ごしてきたクリエイターや、音楽仲間
いつもの仲間がたくさんいた。
こういう世代は、なかなか珍しい。
こんな景色をずっと守ってくれてる、あいつは
はっきり言ってかっこいい。
[④、大きなライブ会場へ]
友達としてかっこいいだけではなくて、
きっと、この渋谷を何十年、振り返っても
このジャンルで、ブエノスから、代々木まで行ったアーティストは
彼らがはじめて。
この世界や、このジャンルは、甘くない。
でも、全ての定説を俺の友達は全部
ぶっ壊してきた。
[⑤、夢]
もう一度、いっておくと。
俺の友達は今日、夢を叶えた。
“渋谷の小さなライブハウスから
渋谷で一番大きなライブ会場へ”…。
もうずいぶん有名やけど
もしまだ彼らを知らない人がいたとしたら
ぜひ、きいてみて欲しい。
自分が関わらせてもらった曲も何曲かあるので
ぜひ、なまで見て欲しい。
Da-iCEという、アーティストです。
音楽を始めた頃に出会った、同い年の
たいきという友達です。
時代は変わる。今もここにいる。
(笑)
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あとがき。
あの頃、このあたりを何度もランニングして、
たくさん夢を話した。
まだまだ夢の中、夢の途中。
そんな景色をもう9年も一緒に見させてくれて
ありがとう。
なんか、今日は、お前と一緒に作った
「Noise」が、頭に流れてる。
お前とよく食う、そば食って帰るわ。